中山間地域フォーラム設立20周年記念シンポジウム「中山間地域のこれまで・これから」:人口減少や高齢化が進む中山間地域——その現場では、いま確かに“次の社会”の芽が育ち始めています。都市と農山漁村、支える側と支えられる側といった従来の関係性を越えて、人々や地域同士がゆるやかにつながりながら、新たな価値を共に創り上げる時代に向けて、歩みを着実に進めています。本シンポジウムでは、その最前線に立つ実践者をお招きし、中山間地域が歩んできたこれまでの軌跡と、「賢く縮む」の本質を明らかにし、これからの都市と中山間地域のあり方について議論します。主催:特定非営利活動法人中山間地域フォーラム・全国町村会
第1部つながる中山間地域(写真省略)
中山間地域フォーラムのこれまで:特定非営利活動法人 中山間地域フォーラム野中 和雄氏、「岩手県西和賀町における中山間地域対策」:岩手県西和賀町役場泉川道浩 氏 / やまに農産株式会社高橋秀氏、法政大学現代福祉学部図司直也 氏、「田園回帰のこれから」:長野県泰阜村役場 山崎笙吾 氏 / 法政大学現代福祉学部 図司 直也氏、岐阜大学環境社会共生体研究センター 西原是良 氏
第2部中山間地域から「賢く縮む」を考えるー岡山からの問題提起
明治大学農学部小田切徳美氏
人口減少時代の自治体運営:九州大学大学院法学研究員嶋田暁文氏
「賢く縮む(スマートシュリンク)」は、自治体全体にとっての効率性」向上のために特に「周辺部」の人々に不利益を甘受させがち。通俗的な「コンパクトシティ論」に回収されがちで、その結果、「周辺部に住み続ける人は自己責任」、「不便な場所に住むならサービス低下は受入れてください」といった言説につながりかねない。「賢く(スマート)」という言葉によって「痛み」が見失われがちになり、「縮小(シュリンク)」がもたらす地域間格差が暗黙裡に合理化され、隠されてしまいがちになるのではないか。「縮小は誰にとって「賢い」のか」を常に問うべきだ。「正しい判断なのだから、我慢してください」という話になりがち。そのため、住民参加が十分なされないまま推進され、「行政による上からの撤退」が実現してしまう。
「賢く縮む」から「賢く挑戦する」へ:岡山県美咲町長青野高陽氏
美咲町パブリックビューイング
阿部典子氏(みんなの集落研究所)
パネルディスカッション:「賢く縮む」を考える:青野高陽氏、嶋田暁文氏、阿部典子氏(みんなの集落研究所)、コーディネーター明治大学農学部小田切徳美氏
明治大学農学部小田切徳美氏総括
総括は4点ある。美咲町のコンパクト化は多面的なことが行われていた。本質は住民自治充実志向型と言える。報道や一部の論説は一面性しか捉えていない。2.美咲町の見えない自治の仕組みがある。美咲町の自治の仕組みの重層性、好循環が課題共有会議にあった。そこでは固有名詞で語られており、高齢化、人口減少という言葉は一度も出なかった。3.中間支援組織(中間支援機能)の役割や機能を考えることが重要である。行政の中に中間支援機能を持つ人がいる。中間支援組織は作るものではなく、探すもの、発掘すべきものである。4.美咲町の縮小政策は徐々に完成度を高めていった。完成形ではない。いわば未完のスマートシュリンクだ。ここから数十年完成形に近づける時間がかかる。このため、表面的なヨコ展開は避けるべきである。WhyやHowを学ぶ場であり、具体的に考えることが重要だ。
九州大学大学院法学研究員嶋田暁文氏資料





