【講演録】県庁そろそろクビですか?

円城寺雄介(佐賀県を一度退職する出向でJAXAへ=宇宙公務員を名乗る)

いろんなことに挑戦する公務員

私は、特段プロフェッショナルではないです。自分の中では、プロではないけども、何をやってきたかを考えた時に、いろんなことに挑戦する公務員だと考えています。今の時代は、実行するだけではなくて、自分なりに様々な考え方、今の必要性を見出して挑戦するということが、税金を払っていただいてる国民のみなさんからも求められてるということであって、そういう意味では、山ほど失敗はしてますが、私は今与えられた使命に対して挑戦をしているのだと思います。 私は2001年に普通に試験を受けて公務員になった普通の県庁職員です。最初の職場は唐津土木事務所というところですが、道路や橋を作るための用地買収の担当をしていました。

県庁そろそろクビですか?

これからお話をすることは、いろんなことをやりながら、必要だと思われることについて様々なことを挑戦してきた結果です。本を出させてもらいました。「県庁そろそろ首ですか」という本ですが、このタイトルは私がつけたわけではなく、小学館の担当の方が「インパクトがないと、誰も手に取ってもらえませんよ」とのことで決定したものです。私が本を出すこと自体がリスクなのに、こんなタイトルだったら騒ぎになるし、リスクあるじゃないかと抵抗しましたが、いや、これでお願いしますとのことでした。この本は、6年前に出版しましたが、その時から「もう首になるんじゃないか」と言われてましたが、2021年の3月末に県庁を退職することになり、首になって、JAXAに来たっていうことで、今は宇宙公務員と名乗っています。

県庁そろそろクビですか https://www.shogakukan.co.jp/books/09825257

全部の救急車にタブレット端末を配備

2010年に救急車にタブレッド端末を配備する仕事をしました。今となっては、当たり前ですが、当時日本ではじめての試みでした。全部の救急車にタブレット端末を配備してよかったのは、どこの病院が空いてるかとどこか混んでるっていうのかを、みんなで見れるようにしたということです。救急車が1台ごとの搬送データを取ることができたということで、年間3万件の救急搬送データを分析でき、先駆け的存在となりました。ドクターヘリを投入しました。ドクターヘリを導入してる都道府県は多いですが、当時佐賀県では、お隣の福岡県と長崎県がドクターヘリを持っていて、佐賀県はその2つの県から必要な時にだけ、借りるという方針で、佐賀県ではドクターヘリを持たないということを方針として決めていました。搬送データを分析をしていくと、その年間を経費が高い安いではなく、データを見た時に年間250件程度は県でドクターヘリを持っていたら現場は呼びたかったはずだとわかりました。関係者の声が大きい小さいではなく、データを見て冷静に判断して、これは必要性があると思いました。そこで、これまでの導入しないという方針をひっくり返して、ドクターヘリを導入することができました。

ドローン

2015年に、これも今となってはもう当たり前で、あの、珍しい話じゃないですけど、ドローンですね。この時はまだまだドローンっていう言葉も浸透してなかったんですけども、私は、ドローンはきっとこの災害時とかに力を発揮できるという思いがありました。

魅力度ランキング最下位、ピンチをチャンスに

皆さん魅力度ランキングをご存知ですか?まあ、シンクタンクの方がなさってるのですが、このランキングだけが全てじゃない。 佐賀県は、魅力度ランキングが何位ぐらいだと思いますか。全国1位決まってますね。下から1位です。茨城県さんもずっと不当の47位を独占されていました。私は、毎年あのヤフーニュースで、茨城県が最下位というのを見ながら、佐賀県が下から2番目であることも見ました。むしろ1番下の方がYahoo!ニュースのトップで紹介されるからよいと思ったら、昨年本当に1番下になりました(苦笑)別に佐賀県の魅力がないわけではないです。いろんな都道府県がいろんな努力をされてるというなかで、最下位というピンチを逆手にとって佐賀の魅力をいろんなところで、チャレンジャーとして貪欲に前向きに発信するチャンスだと思っています。

外国人が一番検索するのはニンジャ

忍者が海外の人が1番検索しているってご存知ですか。九州では、自然が豊かであるとか、温泉があるよとか、食べ物が美味しいとか言います。九州のどこでも、温泉もあり、食べ物が美味しいから、差別化できないかなと思った時に、 そうか、忍者は、他の県には忍者がいないぞと思いまして、昔の文献なんかを調べて、大学教授の方とも連携をして、佐賀県の忍者に関する文献を見つけ出しました。この忍者ブームに乗っかろうという思いがありました。そして、嬉野にて「第2回国際忍者学会大会」の開催にこぎ着けました。

自治体が何で挑戦しないといけないのか?

何で挑戦みたいなことを自治体がやんなきゃいけないのか?あの、先ほど冒頭のご挨拶の中で、国が決めたことを地方自治体が実行するというようなことだけの時代ではないとの話をしましたが、私たち地方自治体がなぜ、いろんなことにチャレンジする必要があるのかという話をします。

第2次世界大戦が終わった後、東京も東京大空襲で焦土と化していました。上野ではお父さんお母さんをなくした人達がいる。 全く身寄りもなくて、戦災孤児と言われました。戦争が終わった直後の我が国というのはまずご飯が食べられない、普通に暖かい布団の中で寝れないという時代でした。非常に辛い時代を送っていました。 だからまずはとにかくご飯を食べれるようにしよう。国を豊かにしようという戦後復興が始まりました。

また、やはり国が豊かになっていくためには、製鉄などの工業化を進めてゆくわけです。当時の日本は工業化を進めて、豊かにならなければ、国民が安心してきていけないと言う時代でした。 そういう時に何が必要かというと、やはり中央集権、とにかく国が決めたことを地域が全部一律に実行するのだと工業化を邁進しました。中央集権で物事は進んできました。これがその高度を経済と支えました。大きな原動力になったので、私は中央集権というのは、駄目だと全く思いません。むしろ中央集権があったからこそ、我が国は経済成長できたと思っています。しかし、熊本で水俣病が起こったとか、それから四日市で、喘息が起こった。地域の工業化が、公害を生みました。つまり、全国一律に豊かにしていこうと考えたものの、全国全部じゃなくて、地域ごとに多様な地域づくりが必要ではないかと考え始めるのですね。そうこうしている間に我が国の課題で、少子高齢化も進んできた。これはその国が画一的にやるってのが通用しないという現れでもある。むしろ自治体ごとに課題とか問題は違うのだから、自治体が主体となって、いろんなものを解決することが必要でなないかということで2000年に地方分権かた、地方への分権が始まったわけです。 地方分権は、我々地方自治体は言われたことだけやっておくという時代ではなく、地域ごとに何が必要だとか、どんな問題を解決していくのかということを自ら考える。これはもう自治体が挑戦するということです。

伝道師とアドバイザーの集い

椎川地域活性化センター理事長退任

大村審議官