東北支部は顔の見える関係が構築しやすいですよ

内山大史

主体間連携による価値創造

お世話になっております。東北支部長を務めます、弘前大学大学院地域社会研究科の内山大史と申します。もともとは化学系の研究者でしたが、1998年、地元である弘前に戻ってきたのを契機に、主体間連携による価値創造の仕事に携わることになりました。私が現在興味があるのは、各種データに基づく地方創生の取組みと人財育成です。この興味の始まりは、日本では1990年代後半から本格化した「産学連携」による科学技術振興を核とした地域活性の取組みです。学という主体が生み出してきた先端的技術を企業等が活用することによって、地域振興を成し遂げようとする試みはその連携対象を多様化させながら、あるいは深化させながら発展してきました。大学は国立大学法人化や知的財産の原則機関帰属化など大きな改革を進めてきました。その流れに並行して議論が活発化していた、いわゆる地域活性化、地方創生のなかでの大学の役割を明示させる「機能別分化」によって、多くの国立大学が地域に貢献することを自ら宣言するに至ったわけです。

 

地域資源・地域経営を地域と共に考える

個人的には産学連携から始まり、産学官金連携を経て、現在の部署に異動してからは地域の様々な主体と共に地域の価値創造の実現に取組むこととなりました。いわゆる地域資源・地域経営を地域と共に考えることができる、そのような人財育成の力になれればよいと思っています。私たちの大学院では、社会人の学生さんが多数を占めます。多様な人財と話をすること、話ができることはとても重要な機会であり財産だと思っています。

人数的に少ないので「顔の見える」関係は構築しやすい(笑)

さて、東北支部は大きな支部に比べるともちろん人数的には少ないので、逆説的には「顔の見える」関係は構築しやすいのかもしれません(笑)。ただ、コロナ感染症拡大などの影響もあり、この数年対面での交流に制限があり、難しい場面も多い状況ではあります。2年前の全国大会では支部セッションの開催をお願いし、少しでも支部会員同士の交流ができればと考えました。同時に行った支部会員へのアンケート回答結果を基に、支部の研究発表、実務発表の場も作ることとしました。学会というとなかなかとっつきにくい印象があるかもしれませんが、東北支部では各県から複数名の幹事を選任することを基本としていますので、相談ごとやご意見があれば積極的に幹事会メンバーにいただければと思います。

地域活性学会にぜひご入会を

10数年前、私自身がそうであったように、「地域活性」というキーワードが気になる方は是非ご入会ください。地域活性学会は興味のあるすべての方に開かれている学会です。

Writer:東北支部長 内山大史(弘前大学大学院地域社会研究科)