2023年3月に参加した国際会議にて(筆者は右)
実務家にとって論文を書くことは、非常にハードルが高いものです
本学会は、実務家からアカデミアの世界へ転身し、ご活躍されている先生方により結成された論文サポート・スクエアという制度を持っています。実務家が論文を書くサポートをしてくれる制度で、本学会の特別な制度です。論文サポート・スクエアは実務論文アドバイザー12名、学術論文アドバイザー7名の先生方のボランティアによって成り立っています(2022年4月16日現在)。
学会は地域づくりプラットフォームです
本学会の基本に、日本の地域を活性化するために、地域住民、政府、行政、研究者、地域づくりに関わる者が結合し、一丸となって取り組もうという考えがあります。地域から政府へ、地域から研究者へ声を届けることができる場所であり、大学の研究成果を実務で活かすために、その知識を得ることができる場所なのです。しかし、本来、実務の現場を支えるべき理論という学問的営為が、現在欠如したまま実務が先行しています。地域づくりの最前線に送り込まれた経験のない行政職員は迷い苦しみ、経験から知識と勘を得たベテラン職員は、その経験知が個人のなかで収束してしまうことを悲しみ、役所の外へ飛び出していきます。本学会の博士課程、社会人経験者の多くは飛び出した人ではないでしょうか。
私は知識や勘の賞味期限は5年以内、人脈は3年以内だと感じます
社会が目まぐるしいスピードで変化するように、地域づくりに対する住民の考え方も地域づくりのスタイルも変化します。実務家が経験から得た知識や勘には賞味期限があります。現場で積み上げてきた人脈にも賞味期限があります。実務家研究者は現場の課題に対し論理的に解決策を発見し、一刻も早く論文として発表し、他の地域の活性化に貢献しなければ、個人知を活かすことができません。実務家が論文の作法を身につけるために時間を使えば使うほど、せっかく苦労して得られた知識が、どんどん古くなってしまい利用価値が減少します。
実務と学問の溝を埋めることこそ、私たち実務家研究者の使命です
もし、「論文が書けない」と、くすぶっている方がいらっしゃいましたら、是非ご相談されることをおすすめいたします。書籍から論文の書き方を学ぶことはできますが、やはり自分の言いたいことを自分が実際に書いて、他人に読んでもらって、どこが伝わらないかを知り、論文作法を身につけていく、これに勝る近道はございません。実務家は経験知があるがゆえに、論文作成に苦労します。例えば、一度、感情や経験を吐き出す作業が必要です。実務では当然と思われていることが、学術的根拠がないことがあります。実務の常識と学問上の常識が異なっていることもあります。論文サポート・スクエアの先生方は、実務家の傾向をよくご存じで、上手に導いてくださいます。
私は、相談をためらっており、論文サポート・スクエアへ相談した時には、既に締切まで1週間を切っていたと思います。期間も短く2本同時で進行しましたが、すごく優しく丁寧にご対応いただきました。また、大学生活についても色々相談しました。論文サポート・スクエアがなかったら、大学を辞めさせられていたかもしれません。先生に感謝してもしきれません。
さぁ、1人で悩まず、勇気をだして論文サポート・スクエアへ相談しましょう。先生方とつながりのない方は以下の論文サポート・スクエア申込窓口から、件名を論文サポートとしてお申込みください。
writer:今村智子