【参考】食料・農業・農村をめぐる情勢の変化

第5回の食料・農業・農村政策審議会基本法(基本法)検証部会の「食料・農業・農村をめぐる情勢の変化(需要に応じた生産)」(農水省資料)を抜き書きします。

過去20年間の需要量の推移(品目別の1人当たり食料消費量)

主要な農畜産物の国民一人当たりの消費量は、1960年代以降大きく変化したが、基本法制定後20年間では傾向としては大きくは変わっていない。この20年間で特に米は一貫して減少している一方、肉類は増加。その他の品目は中長期的に横ばい又は微増・微減傾向で推移している。

過去20年間の需要量の推移(品目別の国内総需要量)

○ 主要な農畜産物の需要量は、基本法制定後約20年間、高齢化による総カロリー摂取の減少はあるものの、増加している肉類を除いて、横ばい又は減少傾向で推移している。

過去20年間の主な農産物の国内生産量及び作付面積の推移

主な農産物の国内における生産量及び作付面積について、約20年間の推移をみると、 米、野菜及び果実については、生産量及び作付面積のいずれも一貫して減少。小麦の生産量は豊凶による年次変動が大きいが、中長期的には2002年頃から横ばいで推移。作付面積も同じく2002年頃から横ばい。大豆については、生産量及び作付面積のいずれも中長期的には微増しているが、2002年頃から横ばいで推移。

営農類型別年間所得の内訳と水稲作の労働時間の推移

一経営体当たりの所得を比較すると、水田作経営は農業・農業生産関連事業所得の割合が低く、農外所得や年金収入の占める割合が高くなっている。これは、高齢化が進んでいる兼業農家が多いことを示しており、稲作に固定化されていることを示している。また、水稲作の労働時間の減少も大きく進んでおり、兼業農家の高齢化が進んでも、水稲生産を継続できる状況にあることが示されている。

20年後の主な農産物の国内需要量・作付面積(単純試算)

2040年度における主な農産物の国内需要量について、国内総人口が2040年度までに2,000万人減少(2020年度1億2,615万人から▲15.9%)する前提の下、過去約20年(1998~2021年度)の消費トレンドから、2040年度の品目ごとの1人当たり消費量を推計し、総人口の減少率と1人あたり消費量の変化率を単純に現在の需要量に乗じることにより、品目ごとの需要量を試算。また、2040年度の作付面積について、主食用米については国内需要量の変化率に合わせて国内生産が減少すること、その他の小麦や大豆等については、2000年から2020年の作付面積の変化率に合わせて増減することを前提として試算。

主食用米の20年後の国内需要量・作付面積と水田面積の比較

2040年における主食用米の需要量を満たす上で必要な作付面積は96万haである一方、水田面積はトレンドから203万haと試算。この場合、2040年には100万haを超える水田が主食用米以外の生産に用いられる。本来、稲作を行うための水田の潜在的余剰が拡大する一方で、当該農地が食料安全保障の観点から生産拡大が必要な作物の生産に十分に利用されない可能性。

需要を踏まえた必要な作付面積

小麦、大豆、飼料、油脂類等の自給率は低く、大部分を輸入に依存。穀物、油糧種子について、その輸入量を生産するために必要な海外の農地面積は日本の農地面積の2.1倍に相当し、すべてを国産で賄うことは不可能。一方、主食用米は、人口減少、少子高齢化により、その需要量は大きく減少。そのため必要な作付面積も大幅に減少。