【日経新聞】航空便、シニア割引の見直しを(島根県浜田市長久保田章市、地域活性学会副会長)

島根県浜田市長久保田章市、地域活性学会副会長

《私見、卓見》航空便、シニア割引の見直しを(日経新聞2024.7.15)

新型コロナが5類になって1年あまりが経過した。航空便の搭乗者数もコロナ禍前に戻っているという。私たち萩・石見空港の近隣自治体では、同空港発着の東京便の利用促進活動を行っているが、最近は、日によっては満席に近い搭乗者がある。しかし、満席に近い時は、決まって団体客の利用がある時だ。団体客が利用しない時には搭乗率が50%以下の日も多い。

どうすれば、個人の利用客を増やせるだろうか。今、私たちが注目しているのが行動的な高齢者(アクティブシニア)の航空利用だ。航空各社には「シニア割引」という制度がある。搭乗当日に空席があれば、通常料金の約4割で搭乗できるという制度だ。アクティブシニアの皆さんに、シニア割引を利用して観光に出かけてほしいと考えている。

ただ、シニア割引制度の最大の難点は、当日、空席がなければ利用できないことだ。急に思い立って、どこかに行こうと思っても、当日にならないと航空便に空席があるかどうか分からない。旅行に行くのであれば、宿の手配や交通手段の確保も行わなければならない。当日朝、旅行計画を立て、宿やレンタカーの予約を行うことは、現実的にはほぼ無理だろう。

せめてシニア割引を使った航空便の予約を「3日前から」にできないだろうか。3日前に予約ができるようになれば、旅行計画も立てられ、宿やレンタカーの予約も可能となる。

日本各地には、多くの観光名所やその土地ならではの郷土料理もある。まだ訪れたことのない地方や再び訪れてみたい地方に出かけたいと思うアクティブシニアは数多くいるはずだ。地方旅行に出かけてもらう仕掛けとして、航空各社にはシニア割引の「3日前予約」をぜひ検討していただきたいと願っている。

アクティブシニアには時間とある程度のお金がある。個人または小グループで思い立って、「そうだ、〇〇へ行こう」と航空便利用の国内旅行を気軽に楽しんでいただきたい。インバウンド需要も大切だが、身近にいるアクティブシニアを取り込まない手はない。円安で海外旅行に割高感がある今、国内旅行に目を向けてもらえるチャンスではないだろうか。