学校法人OCC根岸正州理事長
2025年4月5日、日本初である「教育DX」と「教育機関の経営」に特化したフルオンライン型の専門職大学院「教育テック大学院大学」の開学式・入学式を開催しました。昨年8月末に文部科学省の設置認可を得て、教育情報・経営リーダーシップ研究科 教育情報・経営リーダーシップ専攻として「教育情報コース」、「教育経営コース」の1期生、定員67名を募集し、同人数の新入大学院生が入学しました。私もゼミをはじめ、ESDやソーシャル・アントレプレナーシップ論を担当する専任教員として着任いたしました。大学院を運営する学校法人OCC(本部大阪市阿倍野区、理事長 根岸正州)は、大阪キリスト教短大を運営してきましたが、昨年度から「グローバルDXコース」を設置し、アジアからの留学生の受け入れを開始しました。また、日本語別科、介護別科も設置し、経営の多角化に取り組んでいるところです。
全国19都道府県から入学
開学式・入学式は入間キャンパス(埼玉県入間市)、阿倍野会場、オンラインを結んだハイブリッド方式にて開催しました。67名の1期生は、20代~60代の社会人、4割が女性です。居住地は北海道から沖縄まで19都道府県、またアジア各国の出身者(来日して働きながら就学)も6名います。現在の職業は、約半数が幼保小中高大学の教員・職員。その他、教育DX事業関係者、生涯学習事業関係者など多岐にわたります。中には、民間出身の中高一貫校の校長、パラアスリート(パラリンピックのメダリスト)や宇宙飛行士で宇宙事業の経営者、インドネシア出身で母国で学校設立を志す30代女性などユニークで多彩です。

開学式新入院生宣誓 官野一彦さん(車椅子ラグビー銅メダリスト)
教育の未来を共に創るパートナー、変革のリーダーを育成する
開学式の根岸正州理事長による式辞では、教育DXによる本質的な学びを再構築し、また教育機関の経営危機に対して「変革のリーダー」を育成し、「世界中の学校を救う学校になる」ことを目指すと述べました。入学式の竹村治雄学長による式辞では、「皆さんを、知識を受け取る学生としてではなく、教育の未来を共に創るパートナーとして迎え入れています。どうか恐れることなく、自ら問いを立て、異なる視点と出会い、対話と探究を繰り返しながら、自らの専門性を磨いていってください。」とメッセージを贈りました。

竹村治雄教育テック大学院大学学長
志望理由は教育×経営×DXの学際的なカリキュラムに期待
志望理由を入学者に聞いたところ(複数回答)、上位3項目は「ICTや教育DXに関する最新の知見を学び、現場に活用したい」(69%)、「教育×経営×情報という学際的なカリキュラムに魅力を感じた」(67%)、「フルオンライン授業で実務を続けながら学ぶことができる」(67%)でした。また、「多彩な人と出会え、一緒に学ぶことに魅力を感じた」(56%)や、「現場における課題を解決するための実践力を身につけたい」(52%)というように、多様な教育関係者との出会いや、現在直面している課題の解決といった実践的な面に期待が集まっています。
決め手はオンラインによる仕事との両立
現役の教職員や実務家にとって、学びと実務の両立がこれまでネックになってきました。今回の入学者とって応募を決めた理由は「実務と両立できるフルオンラインで授業をうけることができるから」(81%)が8割を超えており、次いで「自分の経験やキャリアを活かしながら専門性を深められると感じたから」(70%)となっています。その他、教育・経営・情報を統合的に学べることや、修士号を取得できることも応募を決めた上位の理由となっています。
教育への夢を語る新入院生の宣誓
新入院生の代表として、リオデジャネイロ・パラリンピック車椅子ラグビー銅メダリスト官野一彦さんより「異なるバックボーンを持つ学生が高い志を持って入学し、自身もアスリートとして、会社員として複数の立場を持ちながら挑戦します。この挑戦と学びが新たな価値に変わり社会貢献出来るよう、精一杯学んでいきたい」と宣誓し、また、インドネシアでプログラミング教室を経営し来日して働きながら学ぶアナスタシア・アマンダさんより「大学院生として、教育テック大学院大学での学びを通じて、インドネシアをはじめ、教育革命を起こし、優れた教育が受けられる学校を作りたいという私の夢を叶えます。そのため、大学院での学びと人的ネットワークを最大限に活かし、努力を惜しまないことを誓います。」と宣誓をしました。

入学式新入院生宣誓 アナスタシア・アマンダさん(インドネシア出身、北海道大学卒業)
教育の未来を構想する計画書を作成
2年間の集大成として論文ではなく、「教育構想実践書」を作成することで修士学位を取得することができます。教育・経営・情報(ICT)の知識・スキルを身につけ、多様な同期生との対話から視野が広がり、教育の未来を構想し、教育現場と学校など教育機関の経営を革新する人材が輩出されることを今から楽しみにしています。私自身も、教育の未来を学生の皆さんと共創する!という志を持ち、社会変革を起こし、新たな価値の創出をめざします。

