【特別寄稿】学び会い相互に成長する場としての地域活性学会

大宮登先生(地域活性学会第2代目会長、高崎経済大学名誉教授)

斉藤さんからの依頼

広報交流委員長の斉藤俊幸さんから、何か書いてくれという依頼が届きました。斉藤さんとは内閣官房の会議で出会ってから、地域活性化伝道師として意気投合して、私の退職までずっと学生に講義し続けていただきました。地域活性学会の入会を嫌がる斎藤さんを無理やり誘った責任をとって、これまでを振り返ります。私は本学会には、2008年の創設時から理事として関わり、2013年から2017年の4年間は、清成先生のバトンを引き継ぎ、2代目会長として研究大会や研究年報、研究部会の活性化等に取り組みました。

内閣官房の委員会座長を務める

刺激を受け学びあった研究大会

研究大会としては、2013年に実行委員長として高崎経済大学(群馬県高崎市)で「いま、あらためて問う;地域と大学の連携」を開催しました。2014年には、東京農業大学オホーツクキャンパス(北海道網走市)で「地域農業の6次産業化と地域経済の活性化」、2015年に大手前大学(兵庫県西宮市)で「健康・文化・スポーツと地方創生」、2016年に大学のない長野県小布施町で「小さなまちの挑戦~地方創生とまちづくり」、2017年に島根県立大学と浜田市の連携で「課題先進地における地方創生への挑戦」を会長として開催することができました。皆さんの全面的な協力のお陰で、いずれも記憶に残る刺激的で学びの多い研究大会でした。現在も、開催地の地域特性を十分に生かした研究大会が開催されており、益々の充実を期待しています。

「いま、あらためて問う;地域と大学の連携」実行委員長として挨拶(群馬県高崎市)

「小さなまちの挑戦~地方創生とまちづくり」で金沢星稜大学、高崎経済大学の学生・運営スタッフと(長野県小布施町)

地域支部の創設、研究部会の充実、地方創生セミナーでの学び

そして、新たな活動として、支部の設立に挑戦しました。地域活性は地域特性に基づいて地域メンバーが主役になって継続的に取り組んでいく持続可能な活動です。それなら地域ごとに支部があり、そこを拠点として国内外の信頼ネットワークでつながることが望ましいのではないか。いま、支部活動はコロナ禍の中で、コロナに負けないで全国の会員に向けてオンラインで情報を発信しています。地域支部の独自な活動が展開されて、支部間のネットワークづくりも動いているようです。この展開も楽しみですね。また、公益資本主義推進研究部会、地域おこし研究部会など研究部会も活発でした。当時の舘国土交通省審議官や末松関東農水局長などをお招きし、霞が関と地方の現場を結びつけるための情報交換として始めた「地方創生セミナー」も刺激的でした。第5回目には、石破地方創生大臣の講演も拝聴することができ、大変勉強になりました。

さらなる飛躍を期待して

心残りは一つあります。女性の役員の任命です。老若男女が協働して動くのが地域活性です。しかし、学会の役員は女性がまだまだ少ない。ここは意識的に強化していく必要があります。地域活性学会JKなど、相互成長のための新しく力強い挑戦が、始まっています。皆さん大いに楽しんでください。これからの展開に期待しています。

大宮研究室はいつも汚い部屋でした(斉藤コメント)

大宮登先生(第2代目会長、高崎経済大学名誉教授)と斉藤(右)

Writer : 大宮登(第2代目会長、高崎経済大学名誉教授)