PR献本の成果を報告します。コメントいただいた方、ブログ書いていただきました方に改めて感謝です(斉藤)。
【日経新聞】限界集落の経営学 斉藤俊幸著 規模を追わない土地利用(2024年6月8日)
人口減少と高齢化で存続が難しい集落が「限界集落」と呼ばれるようになって40年近く。移住などでにぎわいを取り戻して集落を残そうという「活性化」論と、住むのをあきらめて森に返そうという「撤退」論とで、論争が続いている。著者は集落に住み込み、試行錯誤してきた実務派の研究者である。土地の荒廃を防ぐため、集落は残すべきだとの立場だが、実際には活性化は難しい現実をみてきた。現場の視点から活性化でもなく、撤退でもない、第三の道を提示する。一つは人手をかけない粗放農業だ。放棄された農地で放牧し、そこの牧草で賄える飼養頭数にとどめる。大規模化をめざさない適正規模の粗放農業は新規就農者の志向に合うという。もう一つは土地利用型の地域ビジネスだ。規模を追わず、イノベーションと所得向上を重視すべきだとする。それに必要な人材、資金を得るには経営と現場管理の分離などが有効だとし、リスク軽減のため国による直接投資の必要性も説く。著者は近年、広がりをみせる地域おこし協力隊の提唱者でもある。集落現場の小さな芽が、いずれ一つの潮流になると見通す洞察に定評がある。地方創生から10年。消滅可能性自治体があまり減っていない現実をみれば、試みてみる価値があろう。(学芸出版社・2420円)
【日本農業新聞】あぜ道書店(2024年7月7日)
副題は「活性化でも撤退でもない第三の道、粗放農業と地域ビジネス」著者は農地と農村を維持するためには、大都市と地方の所得格差を解消し、後継者の所得の向上を図ることが必要だと強調する。牧場と地域ビジネスの現場から、具体的に地域活性化政策の方向性を提案する。農村地域に危機が迫る。活性化か撤退かの二択では国土も食料も維持できない。住民主体の手づくり重視から、官民連携(PPP)による経営力導入と、中規模加工工場への国の直接投資への移行が必要だ。人口が限界まで縮小しても少ない予算で農地と農村を維持すれば道は開ける。肉牛放牧、受精卵、大豆ミート事業など先進事例を紹介し、決断を迫る。(学芸出版社、2420円)
【ぎょうせい】月刊ガバナンスReader’s Library(2024年7月号)
農地や農村集落に関する地域政策は、活性化か撤退かの二択で語られがちだが、著者は「第三の道」として、「土地利用型地域ビジネス」による価値の創造を提唱する。土地の利用、・維持のために適正規模の農家が集まり、粗放的な生産を通して社会的価値を市場価値に転換する土地利用型地域ビジネス。本書では、土佐あかうし牧場クラスター(高知県嶺北地域)、受精卵ビジネス(鳥取県江府町)、米焼酎ビジネス(福島県只見町)など、具体例を多数紹介しながら、住民が減っても予算が少なくても実現可能な新しい農村像を提案する。地域の中に入り、解決手法組み立てていく実務家研究者としての著者の豊富な経験と深い洞察から得られるものは多い。
【農文教】季刊地域(10月号掲載予定)
【自治日報社】自治日報(2024年9月2日号掲載予定、寄稿)
【時事通信社】地方行政(5回連載枠獲得、寄稿)
【書籍ダイジェスト配信】セレンディップ社
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【香川銀行】香川ニュービジネスクラブ
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【書店挨拶】三省堂農林水産省売店
【書店販売】シェア型書店ほんまる
作家・今村翔吾さんが神保町で始めたシェア型書店「ほんまる」の棚主に東大史くんがなりました。山崎怜奈さんの上の棚だそうです。そこに「限界集落の経営学」を置いていただきました。『活性化か撤退かの二項対立に示す第3の選択。地域を守るための現実解を実務経験者が語ります』(東くんの付箋から)
【ブログ記事】人がいないなら、動物を活かせば良いんじゃない?『限界集落の経営学』
筆者は地域おこし協力隊に先行するモデルとなる地域マネージャー制度によって全国各地に住み込みで活性化施策を徒手空拳で行なってきた経験を元に、イノベーション≒瓢箪から駒を生み出す手法を博士論文としてまとめた実務家研究者です。そして限界集落を存続させる手段を粗放生産に求め、『限界集落の経営学』という何とも矛盾をはらむタイトルで刊行しました。
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【ブログ記事】読書感想文「限界集落の経営学: 活性化でも撤退でもない第三の道、粗放農業と地域ビジネス」斉藤 俊幸 (著)
何が「限界」なのだろう?本当にそう思う。為政者や高級官僚にとって、田舎の集落を市町村役場の連中の尻を叩きながら救うのはクタクタになるので、もう限界だ、と言っているに過ぎない。田舎の役場には、ビジネスマインドがある奴がいるわけじゃ無いし、クリエイティブだったりインスピレーションが次々と沸く人材はいない。せっかく、チャンスとなる制度を作ってみたって生かしてくれないんじゃ、国の役人は嫌になる。その一方で、国がどう思おうと、集落なりの生き残り方、集落での生き延び方はある。じゃあ、国が直接、集落の連中と一緒にやったっていいじゃんと斉藤先生は言う。
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植井真氏コメント
前神有里氏コメント
昨日は地域活性化センター人材育成プロデューサーのお仕事、地域活性化センターはまたの名を地域力創造大学校といい、全国の自治体から派遣された職員がco−learning&co−workingし地域プランナーとして巣立っていきます。昨日は地域プランナー養成講座でした。第1回目は地域活性化センターの社是ともいえる未来構想ー3つの物語ーベースに新しい知へのマインドセット。知識だけ増えても現場で実践しなければ領域は超えられない。領域を超えなければ新結合しないのでイノベーションは起きない。そしてここでバイブルになるのが実務家研究者である斉藤俊幸さんが書かれた「限界集落の経営学」活性化でも撤退でもない第三の道。未来構想のAでもないBでもないCという3分法思考の実践が各地にあるのです。斉藤さんはおじさんですが若い柔軟なマインドをおもちなのでこれはこういうものだという思い込みや既成概念のバイアスでは気付かない変化を見つけるセレンディピティの天才。瓢箪からコマ生み出しながら現場を渡り歩くまれびと。まさに地域プランナー。あとがきを読んだときにはなぜか感慨深くなって目頭が熱くなりました。私が書いた本じゃないけどねー。斉藤さん大事なことを書き残してくれてありがとう。
後藤好邦氏コメント
この度、発刊された「限界集落の経営学」長年、地域再生マネージャーとして地域づくりに関わり続けている斉藤 俊幸さんが書き下ろした新刊です。斉藤さんとの出会い、それは15年ほど前に遡ります。慶応大学が全国の5地域を繋ぎオンラインで実施した起業家養成研修でした。人口減少により衰退していく農村地域、その対策は、移住政策などの活性化策と、むらおさめなどの撤退策に二分されています。こうした中で斉藤さんが提案する第三の道、それが地域ビジネスです。農地と農村の存続に関する最大の問題点、それは結束の固い長老組織、固い結束の組織からはイノベーションは生まれない。これでは地域が持っている地域ビジネスを後継者にバトンタッチすることができず、集落は無住化を待つばかり、農地と農村を維持するために必要なこと、大都市と地方との所得格差を解消、後継者の所得向上を図る必要あり、地域ビジネスによる所得の新たな配分方法を考える必要あり、社会的価値を市場価値に変換できる地域ビジネスによる所得再配分が有効。地域ビジネスとは・・・、イノベーションを生み出すことができる土地からの産物を活かした中量生産のビジネス、更なる詳細はぜひ紙面でご確認を、推薦者の椎川忍さん曰く「過疎地域再生の教科書」大学で「地域づくり論」を教える身として、この本から多くのことを学ばせていただこうと思います。