内閣府と地域活性学会との対話

左から斉藤俊幸、御園愼一郎、関幸子

行政、実務家、大学がつながり、実践に結び付けられないか。

2003年地域再生事業がスタートした。行政、実務家、大学がつながり、実践に結び付けられないかとの議論の中で、北陸先端科学技術大学院大学から授業の枠の中で地域再生事業を考えられないかとの提案をもらった。これが地域活性化システム論の始まりである。このカリキュラムを全国に広げられないかとの話となり、地域活性学会を作ることになった。14年目を迎え、1000人を超える学会になった。実務家に敷居の低い学会としたい。顔が見える学会としたい。社会貢献の成果を出したいと考えている。(御園愼一郎)

地方創生は再起動できるのではないか。

第2期の地方創生事業の時代に入ったが、コロナ禍により困難に直面している。この2年間でテレワークが進み、働き方が変わってきている。仕事がオンラインで可能となりつつある。このタイミングで人口移動が変化し、特徴的な動きが出てきている。オンラインの新しい取り組みが始まり、様々な課題に取り組む事例が増えている。アフターコロナで地方創生は再起動できるのではないか。

なぜ、うまくいくのかの理論化が必要である。

そもそも過疎地域で起業しようという人が少ない。なぜ、成功するのか、なぜうまくいかなかったのかの理論化が必要である。一人ひとりは育っている。地域で起業できる人を増やすことが地域活性学の役割のひとつである。

地域活性学会は実務家の現場の一般化を支援したい。

成功事例が欲しいと国はいうが、地域の現場から見ている景色は異なる。ひとつの事例として見ていない。計画を達成するだけで精いっぱいであり、その場で当事者が一般化はできない。その先に一般化できるのだということを実務家は気が付いていない。地域活性学会は実務家の現場の一般化を支援したい。

自治体でとらえるのではなく、生活圏で考えるべきではないか。

プロジェクトを作る段階から企業に入ってもらう。地域は閉鎖的であり、排他的であるためもう少し広域化して考えるべきと考えている。狭い地域で行わない。広域で企業は利益を出し、自治体もメリットが出るwin-winの関係が作れないか。自治体でとらえるべきではなく、生活圏で考えるべきではないか。

いろんな事例の蓄積がある人、地域にアドバイスできる人が必要である。

答えを見つける仕事をしている。この答の出口は異なりすべての自治体に当てはまらない。答えを見つけていかなくてはならないが、プロセスや動きがどうなっているのかはやっていない。人材は民間の力を借りるという方法があるが、全国的な視野に立ったアドバイザー的な人を確保することが大事であると考えている。いろんな事例の蓄積がある人、地域にアドバイスできる人が必要である。

1時間では、深い議論ができませんでしたが、最初のキーワードはでていたと感じます。私たち学会のメンバーも大いにヒントを頂いた貴重な機会となりました。出来れば、今後もこうした意見交換・交流の機会を持たせていただきますようお願いいたします。(関幸子)

Writer:斉藤俊幸