デジタル田園都市国家構想とは何か

福島元幸さん

デジタル田園都市国家構想とは何か。

岸田首相となり、地方が抱える課題を、デジタル実装を通じて解決するデジタル田園都市国家構想が進んでいます。「地方からデジタルの実装を進め、新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮めていく。誰一人取り残さず、すべての方がデジタル化のメリットを享受できるように取り組む」と岸田首相は所信表明演説で話しています。デジタル田園都市国家構想は、デジタル基盤の整備、デジタル人材の育成、課題解決のデジタル実装、誰一人取り残さない社会の政策の4本柱によって成り立っています。また、若宮健嗣デジタル担当相は、「デジ田応援団の結成式において、地方こそ新しいデジタル技術を活用するニーズがあります。デジタルを使って地域の個性を活かした地方活性化を図り、地方から国全体へとボトムアップし、世界とつながっていきます」と地方のデジタル化の方向性を示唆しています。いよいよ地方のデジタル化が始まりますね。

福島さんは農協と学生をつなぐLINEアプリを開発

高知県のIT会社経営の福島元幸さんと私、斉藤俊幸は日本農業新聞本社を訪問しました。福島さんは、高知工科大学博士後期課程社会人特別選抜/起業マネジメントコースに合格したばかり。私の大学院の後輩でもあります。『地方における持続可能な社会づくりを支援できるDXのメカニズム』を研究テーマに博士号取得を目指しています。福島さんはJAグループ高知と高知大学学生団体とを結ぶLINEを使った人材マッチングシステム「とさジョブ 」を展開しています。労働力不足に悩む高知県の農業経営者と、コロナ禍でアルバイト探しに苦労している高知大学の学生をアプリでつなぎ、就労支援に寄与しています。今後、デジタル田園都市国家構想の推進に寄与できるDXサービス展開に力を入れたいとも述べていました。そこで、デジタルで協同を強くすることを考えている日本農業新聞を訪問することとしました。

デジタル町一丁目(システム開発:アニバーサリーコンシェル株式会社)https://digital-town.jp/

日本農業新聞はデジ田に参加

日本農業新聞社は、スマートフォンで、SNSを使って、シンプルな運用とスリムなコストで、小規模組織でも、スピーディな開発を実現するデジタル実装社会を考えていました。農協はもはやスマートフォンによる情報共有を加速すべき時期を迎えています。まさに、農家や農協職員が、簡単に手が届くのはLINE、これにより、無理なく対話が行えるDXの構築を目指していたわけです。福島さんはすでに高知県JAと学生とをつなぐLINEアプリを持っていたため、日本農業新聞とつないだわけです。うまく化学反応を起こしてほしいと思います。

福島さんの博士論文の研究テーマはDX

福島さんは、高知工科大学への入学を果たし、地域活性学会員となり、まさに今経験していることを博士論文へとつなげると思います。最先端で起きている事象が、最速な形で博士論文となるのでしょうね。これから楽しみです。

writer:斉藤俊幸