【実務家教員5名による出版】共創の強化書―学び成長し続ける自分の作り方―

実務家教員5名

2023年3月に、名古屋産業大学の経営専門職学科の実務家教員5名(地域活性学会会員:今永典秀、辻紳一、松林康博)で、主に卒業間際の学生から若手社会人を対象とした書籍を中央経済社より出版しました。

本屋さんで平積み

専門職大学とは?

専門職大学は、特定の職業のプロフェッショナルになるために必要な「知識・理論」と「実践的なスキル」の両方を身につけることのできる、新しい大学として、2019年度より制度が開始しました。特徴は、40人以下の少人数の講義で、臨地実務実習(長期インターンシップ)が600時間以上、全体の3分の1以上が実習で、専任教員の4割以上が「実務家教員」であることが定められています。

実務家教員の活躍のフィールドの一つであると考えられます。https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senmon/index_pc.htm

経営専門職学科とは?

名古屋産業大学の「経営専門職学科」とは、2019年に新設された専門職大学の制度に基づいて、2021年4月に新設されました。経営と情報領域の融合で、「共創」のコンセプトも取り入れて設立されました。「デジタルデータの知識技能を駆使し、企業経営や社会の変化に対応した事業の実践を通じて、価値創造に貢献する専門職人材を養成する」ことを目指したものです。

実務家教員

専任教員が11名存在し、そのうち、5年以上の実務経験を有する教員は8名います。「共創」のキーワードで、変わりゆく時代・社会の中で、これからの時代に変わらず必要となる基礎スキル・知識に関連した書籍を出版しました。今回「共創の強化書」は、5名の実務経験を有する教員で記載しました。経営コンサルタント、税理士、中小企業診断士、人事・社会起業家、銀行員・経営企画などの経験を有しております。それぞれの得意領域を有しながら、企業経営全般に関連した知識を有しながら、大学生に対して経験を踏まえ、知識を伝えることに加え、学生が社会に出て実践できるように教育活動を行っています。企業事例の活用や、アクティブラーニングやPBLインターンシップなどの手法を活用した実習の実践機会を提供し、経験から提供可能なフィードバックを効果的に実施しています。

出版の経緯と本の内容

変わり続ける社会であっても生涯活躍するために何が必要なのか。組織を超えた共創の重要性を説き、そのために必要なスキル、学び続ける方法や考え方を新社会人向けに解説しました。

本の構成は次のとおりです。
第1章/生涯,学び成長し続ける社会

第2章/仕事のアウトプットを出すために必要な力

第3章/社内外ネットワークの構築とチームワークの高め方

第4章/フレームワークの分析と提案・実行による課題分析力

第5章/経営戦略立案や個人の会計情報の理解に役立つ定量分析力

第6章/実践力の鍵を握るリフレクション(内省)

第7章/ビジネスにおける「共創」の場

終 章/共創力の強化にむけて
1 これからの社会で必要なこと
2 実務家教員として,普段から意識していること
3 実務家教員と専門職大学とは
本書のまとめ(自分を見つめるチェックリスト)

本の構成は、これからの社会環境について触れた上で、2章から6章で、基礎となるコミュニケーションや報連相、ネットワーク・人脈形成の高め方、フレームワークの活用方法と留意点、定量分析力の重要性、実践と内省の必要性について、各実務家教員が大学における実践的な講義を踏まえて記載しました。 それぞれ、事例や具体的なケースを織り交ぜながらシンプルに理解しやすい内容になることを意識して記載しました。実務家や実務家教員の人、あるいは研究系の人が実践的な内容を学生に伝えるために、大学の講義やゼミで活用しやすい内容だと思います。企業では、若手社員の方が自ら手に取ることに加えて、マネージャーや経営者の人から若手に対して啓発するきっかけにもなれば良いなぁと思っております。

最後に

大学、特に専門職大学のように、実践を通して身につけるような教育プログラムが存在する場合には、「実務家」の経験、特に実践経験を語ることではなくて、学生の実践に対して適切なフィードバックによる伴走支援が効果的だと実感しております。そして、これらの経験によって、書籍などを通じて世の中に還元することも一つの方法だと改めて感じました。

Writer:名古屋産業大学経営専門職学科准教授 今永典秀、辻紳一、松林康博