なんとなく興味があった「地域活性化」が現実に

信州大学グリーン社会協創機構コーディネーター 内田考生 (2020年11月撮影 信州100年企業創出プログラム 開講式にて)

帰国のきっかけは信州大学の客員研究員

地域活性学会研究大会の初参加は2021年の金沢大会でした。オンラインでの参加でしたが、皆様の研究発表を見聞きして「自分がやりたかったのはこれだ!」と強く思ったのを記憶しています。参加したきっかけは前年の2020年10月に信州大学の客員研究員として米国はロサンゼルスから帰国したことです。

住んでいた近所から撮影したロサンゼルス市街

一度跳び出したからこそ見える日本の良さ

私はそれまでずっと玩具、ゲーム、漫画、アニメといったエンターテインメントの業界におりました。社会人なりたてはおもちゃの企画・開発をしていました。モノづくりが好きでおもちゃ屋さんだったらなんでも作れると思ったからでした。入社6年目で米国ロサンゼルスに赴任し、「たまごっち」という商品を米国で1000万個売りました。その後ビデオゲーム事業を米国で立ち上げ、次第に事業が大きくなっていったところで帰任。米国に戻りたくて米国で起業し、ゲームやアニメの音声収録の事業とライセンス事業を生業としていました。その頃扱っている商品への想いは「日本で普通のことが海外の人には新鮮でユニークに写るものがある」といったような具合で、日本の商品やキャラクターを紹介することに仕事のやりがいを感じていました。新型コロナウイルス感染症が拡大し始めた2020年の春と同時に新しい仕事を探し始めていたところ、信州大学が主導する地域活性化事業「信州100年企業創出プログラム」の募集に目が留まり、応募し採用されました。信州大学のある長野県松本市は私にとって景色、食事、人情などなど美しいもの、美味しいもの満載で、全ての日本の良さを再認識させられ、その翌年に地域活性学会研究大会へ初参加。約20年過ごしてきた米国の荷物を全て引き払って日本に戻ってきました。

起業してライセンス業務を行なっていたときのもの。アワードの授賞式でトロフィーと賞金を受賞者に

古民家を住み継ぎ、日本の良さを残したい

古民家が好きで今も古民家に住んでいます。そうすると近所にあった美しい立派な古民家が已む無い事情で壊されていくニュースが耳に入ってきます。建物に限らずそこにあったヒストリーを持った有形無形のモノが消えていきます。日本の良いものをできるだけ残していきたい…そんな想いが今の私の研究テーマにあります。それはシェアハウスが関係人口創出に繋がるのではないかといったものですが、日本の良いものが次の世代に良いカタチで継がれることに研究成果が少しでも貢献することを夢見ています。

古民家の我が家

2022年地域活性学会第14回研究大会にて発表の様子

全く新しい世界にジャンプイン!

ご縁あって今年2023年1月から信州大学のグリーン社会協創機構という部門でお仕事をさせて頂いています。環境問題や社会問題を解決して持続可能な社会の実現がテーマです。環境問題は防災減災と密接に関係しておりそれは地域づくりに繋がります。このお仕事を進めていく中で、何れ近いうちに地域活性学会の皆様との繋がりが何かものすごく素敵な化学反応を起こすのではないかと今からワクワクしております。

Writer:内田考生(信州大学グリーン社会協創機構コーディネーター)