大丈夫、必ず書ける-実務論文の書き方教室報告(1)

永松俊雄師範

実践知の言語化

脳という情報処理装置には、システムⅠとシステムⅡの2つのシステムがある。システムⅠは無意識で自動処理される。直観的な早い思考である。システムⅡは論理、意識思考であり、論理的で遅い思考である。システムⅡは集中しないとできないので、すぐ疲れる。2つ以上のことを同時に処理できないものである。システムⅠが、システムⅡで確認する必要があるとアラームを出した時に、システムⅡが作動する。実践知に基づく「確信的直観」により結論を一瞬に導き出せる。処理結果のみ送られてくる。どのような思考を経てその結果に至ったかはわからない。「神の一手ですね」と言われても他の人はわからない。もっともらしい理由をつけているだけであり、他の人に教えられるものとはならない。なぜその行動を選択したのか。必ず理由がある。その理由をシステムⅡで考えて言葉で書き起こす。なんとなく違う、何か足りないという違和感信号を感じてもらいたい。システムⅡで理由を考えてほしい。実践知の言語化は自分を探検する作業だ。最初は時間がかかる。しかし、だんだん考える時間は短くなる。一連の作業はやれるようになる。疲れもしない。論文を書くことは、仕事や日常生活でもとても役立つスキルだ。

実務研究論文の書き方教科書 永松俊雄 https://zofrex.co.jp/nagamatsu.pdf

そのセンスを磨くにはどうしたらよいのでしょうか?

キーワードは「違和感」だと感じました。そのセンスを磨くにはどうしたらよいのでしょうか?日々実務をこなしていると色んな出来事が起こると思いますが、論文を書く上で信憑性を高めるための「データの取り方」というのは非常に重要だと感じています。どのような工夫をされているでしょうか?実践の場合、たとえば自分自身がキーマンの立ち位置だった場合、当事者であるがゆえの「書きにくさ」みたいのがあるのですが、そこをどう解消すれば良いのか。教えていただければと思います。論文の書き方に関して、インフォームド・コンセントをしっかり行う事が潮流であるという指導を受けた事があります。地域での活動に取り組んでいると、事前にインフォームド・コンセントを行うのが難しい場面も多いです。どのようにしたらいいでしょうか。学知(学術理論・先行モデル)についてお話がありましたが、学術論文では「先行研究」の整理も必須かと思うのですが、実務研究論文ではどのような扱いが想定されてますでしょうか。学問上の理論、モデルを使った分析、考察を使わなくても導き出せる場合は無理に使う必要はありませんとありますが、事例を教えていただけますか?実務論文アドバイザーの方は、実務研究論文のみを対象とされているということですか?学術研究論文は対象とはされていないという理解でよろしいでしょうか?仕事が急に激務になり、論文執筆から離れてしまった場合、リカバーする際の工夫やコツがあれば教えてください。

論文は100回は読み返す

本日は、大変有意義でためになる講義をありがとうございました。永松先生のご経験を交えた説明には多くの共感と納得と説得力がありました。また、「論文を100回読むのお言葉」は、全てにおいて近道はなく、非常に含蓄のあるお言葉でした。新たな「実務研究論文」分野に期待し、ぜひ、地域活性化で行っている実務をぜひ、論文としてまとめてみたいと思います。次回も楽しみにしております。ありがとうございました。実践しているものとしては、自分のケースを形にするのに、主観が強くなりやすいこと、書きにくい点もあり、いろいろな悩みがあります。また、1から勉強しなおして取り組みたいと思います。

実践の後では取返しがつかない

論文の基本は「仮説(理論からの演繹)」→「実証(実験、証明)」だが、Q&Aにもあった、実践的な状況では多くの場合、「実践(探索的社会実験)」→「一般化への試み」という順番に成ってしまう。理想は、「予備実験」→「仮説設定」→「本実験」→「実証をへた一般化」だが、当該の実践は一度きりだし、社会実験のチャンスは限られ、予備実験の余裕などないのが現実だと思う。この辺りは、事前に意識されていると対策があるかもしれないが、実践の後では、取返しの着かないということになる。本講演の様な論文構成に関する指南は、まず型を修め、事前対策が取れるということで大変有意義・有益な取り組みだと感謝している。

濃密なサポートをします

実践的な講座を開催してくださって、どうもありがとうございました。「どこよりも濃密なサポートをします」(正確な文言ではないかもしれませんが)という永松先生の言葉が頼もしかったです。来月も楽しみにしています。今後ともよろしくお願いします。

1から勉強しなおして取り組みます

今日は貴重な機会をいだいてありがとうございました。実践しているものとしては、自分のケースを形にするのに、主観が強くなりやすいこと、書きにくい点もあり、いろいろな悩みがあります。また、1から勉強しなおして取り組みたいと思います。

論文を書きたい!という思いに誘ってくれる2時間でした

実務家がどのようにその実践知を言葉にし、論文の形で読者に届けるかその真髄を味わえました。特に「違和感」という言葉が印象的で、何気なく生活をしていると感じにくい、そのモヤモヤを言葉にしていく道筋が実務家が論文を書く営みだと理解しました。論文を書く意味を解きほぐし、論文を書きたい!という思いに誘ってくれる2時間でした。

論文を書くことで少しでも誰かの役に立ちたい

貴重なお話をありがとうございました。修士論文を書くのにものすごく苦労し、自分には論文を書くセンスがないなと思っていましたが、永松先生のお話を拝聴して、論文に挑戦してみたいと思いました。「職場で褒められることなんかなくても書く。職場で読まれなくても書く。何本も書く。書き続けることが大切。」この言葉が心に染みました。論文を書くことで少しでも誰かの役に立ちたいと思います。

アカデミックな世界の脳と言語に変えて臨んでいかなくてはいけない

とてもためになる講演をありがとうございました。もともと実務家のため、アカデミックな世界の脳と言語に変えて臨んでいかなくてはいけないことがよくわかりました。講義の内容を参考に論文作成に励んでまいりたいと思います。

とても勇気づけられました

永松先生の「大丈夫、必ず書ける-実務論文の書き方教室報告」とても勇気づけられました。「実務論文書いてみよう」というのが、率直でまず思った感想です。実務経験者からすると、学術論文に対する敷居の高さとともに、正直、この論文役に立つのかなあという反抗心(よくないですね)もあり、なかなか手を出せずにいました。特に先行研究のサーベイについては、学術者なら何年も追っているテーマでしょうが、実務家となると、どこまでサーベイしなければいけないのか、途方に暮れていました。このハードルが低くなったことだけでも、今回、講座をお聞きし良かったと思います。その分を、現場での詳細な発見や分析に回すことができそうです。あとは一行目をいつ書くかですね。先延ばしせず、早速、始めたいと思います。大変、前向きになる勇気を頂きました。

このセミナーが無料とは信じられません。有料でも参加します!

永松先生ご自身が獲得した投稿論文のお作法ほか貴重な実践知を、懇切丁寧にわかりやすく、そして惜しげもなく公開していただいて感謝しかありません。Q&Aコーナーで実務論文における先行研究の扱い(サーベイ)についてお尋ねしましたが、学術研究論文と実務研究論文のちがいについてもよくわかり、大変参考になりました。また、学術理論の使い方に関する他の方の質問に対して、まるで指導教員かと錯覚するくらい優しく丁寧に、そして思いのこもった回答をされているのに接して、その内容はもちろん、お人柄に、大げさでなく感動すら覚えました。

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