里帰りゼミで芝浦工業大学(SIT)訪問(2024年12月7日)

畑聰一芝浦工業大学名誉教授

芝浦工業大学の里帰りゼミで芝浦工業大学豊洲キャンパスを訪問しました。畑聰一先生は80歳。建築領域の集落研究の第一人者です。斉藤は工業高校と工業大学で建築を学び、さすがに飽きてしまい、20歳の時に集落研究室に飛びこみました。調査地は三重県鳥羽市答志島答志集落。あれから間もなく50年を迎えますが、いまだに斉藤は現場にいます。「限界集落の経営学」を後輩たちに献本することができ安堵しています(斉藤)。

共同性とはふわっとしたものだ(畑聰一)

学生時代にエーゲ海キクラデスに3か月半滞在した。集落を歩き実測した。なぜキクラデスに行ったかと言えば白い空間に魅力を感じたからだ。日本でも集落を実測をしたいと考えあちこちを訪問し、伊勢湾の離島を選んだ。神島、答志島…。アノニマスでバナキュラーな世界に興味を覚えた。Architecture Without Architectsにショックを受けた。学生とともにフィールドワークをやりたいと思った。集落と住まいを念頭に空間を図面に落とす。精緻に図面を作った。集落とは何か。寝屋制度(15歳になると寝屋親のもとの共同生活を始める⇒チームの組成)や大工組織と住民との関りに興味があった。伊勢湾、答志集落に何度も行った。間仕切り、どうすみ分けるかの分割方式に興味があった。持田照夫(大阪市立大学)と農村を一緒に回った。私の研究は一方的に偏っていることを知った。鈴木成文(東京大学)と空間ではなく生活様式に関して調査をした。サントリーニ、ミコノスも再訪した。中心は庶民。共同できることは大事。ドクター論文は共同性がテーマだった。共同性は社会によって違う。ふわっとしたものだ。

答志集落(三重県鳥羽市)

答志集落の地図をつくった草創期メンバー

漁村住宅の高密度居住形態に関する研究(その2:高密度居住の構造)芝浦工業大学、畑聰一、岩崎光芳、青柳恵二郎、見取貞義、辻村行雄、真柄琢哉 http://www.jusoken.or.jp/pdf_paper/1981/8010-0.pdf

参考文献:高橋文男・畑 聰一:間取リの経時的変化に関する考察:日本建築学会大会学術講演梗概集

畑研究室の成果

里帰りゼミの様子

芝浦工業大学豊洲キャンパス