学生が地域を「世界一」にする

嘉悦大学 神酒 太郎

嘉悦大学の学生が『ギネス世界記録™』に認定されました

はじめまして。嘉悦大学の神酒太郎と申します。先日、私の勤める嘉悦大学の学生がギネス世界記録に挑戦し、認定されました。今回は、なぜ学生たちがギネス世界記録に挑戦し、地域を巻き込み、世界記録を樹立することができたのか、についてお話させていただきます。まず挑戦した学生というのは有志の団体「ど根性カエツ」で、メンバーは私が担当する講義「プロジェクト企画実践」を履修した学生です。この講義は「ギネス世界記録挑戦で地域課題を解決する」をテーマに、記録に挑戦できる学生の育成を目的としています。そして挑戦した記録は「ランタンを灯して渡していく最大のオンラインビデオチェーン(Largest online video chain of people lighting and passing a lantern)」というものです。なぜこの記録に挑戦したかというと、キャンパスが所在する東京都小平市では「小平グリーンロード灯りまつり」というお祭りがあるのですが、これがコロナ禍で2年連続中止となり地域に危機感が募っていたからです。そこでまつりで使用する「地口行灯」を使い、学生・地域のみなさまが参加できる挑戦として先ほどの記録が選ばれました。

地域を学び、自分たちの手で一から始める

ということで記録挑戦が始まるのですが、いきなり動画撮影は行いません。まずは関係者を招いて「小平グリーンロード灯りまつり」について学びます。そして、自分たちで地口行灯を作ることにしました。関係者に簡単なキットを用意していただき、金槌を手に地口行灯を作ります。

と、ここまでは良かったのですが、このタイミングで緊急事態宣言。活動はオンラインに移行します。ここから数ヶ月間、コミュニケーションを取ることに苦労しつつもZoomを使ってそれぞれの進捗を確認します。そして約3ヶ月後、全員の地口行灯が完成。緊急事態宣言も終わり、いよいよ動画撮影に入ります。

動画撮影スタート!

「ランタンを灯して渡していく最大のオンラインビデオチェーン」という記録は、文章で説明するのはちょっと難しいのですが、1本の動画になります。まずランタンを手に持った人物がいて、画面の右端(もしくは左端)に向かってランタンを手渡すアクションをします。そして画面が切り替わると次の人がランタンを受け取ってまた次の人に手渡す、というアクションを繰り返し、その動画数で記録に挑戦します。実際の動画はリンク先でご覧いただけます。

【ランタンを灯して渡していく最大のオンラインビデオチェーン】

 

今回の挑戦では、世界記録として認定されるには250動画が必要とのとこ。ただ撮影ミスのリスクも考え、300動画を目標にしました。自分たちで完成させた地口行灯を使って、さっそく大学内で動画撮影を開始。メンバーの友達を中心に撮影しているのですが、全然数が集まりません。というのもメンバーの広報不足で、大学内ですらほぼ認知されていないからです。そこで作戦を変更。教員に協力を依頼して授業内で撮影してもらうことに。ここから徐々に勢いがつきはじめ、いよいよ大学の外へ。関係者に協力いただいて、イベント等の人が集まるタイミングで市民のみなさんにも撮影に参加していただきました。最終的には298動画を撮影。動画・その他証拠資料を揃えてギネスワールドレコーズに提出。学生たちの約半年かけた挑戦の結果は…

ギネス世界記録に認定!

しばらくして、ギネスワールドレコーズよりメールが。記録数292動画としてギネス世界記録に認定されました!関係者に報告するとともに、せっかくなので認定セレモニーを行うことに。セレモニーでは学長からメンバーに認定証が贈呈され、キャンパスのある小平市の市議会議長にご祝辞をいただきました。挑戦にご協力いただいた多くの方にもご出席いただき、「自分たちの住む街が世界一になった」と非常に喜んでいただけました(冒頭の写真です)。また学生たちにとっても、学業・プライベートと並行しての挑戦はとても大変だったとは思いますが、他ではできない貴重な経験ができたのではないかと思います。また、記録挑戦・セレモニーの様子は、朝日新聞様・J:COM様も取り上げていただき、さまざまなところから大きな反響をいただきました。挑戦から認定までの様子は、以下リンク先で詳しくご覧いただけます。

 

【世界記録に挑戦! : 嘉悦大学 プロジェクト企画実践】https://kaetsu-project.blog.jp/archives/cat_237537.h

成功した要因を簡単に分析すると、まずメンバーは「プロジェクト企画実践」の講義を通じて、事前に記録挑戦を練習できていたことが大きかったようです。また地域に対して、挑戦のテーマにタイムリーな地域課題を設定できたことも良かったようです。みなさんが課題と思っているところに手を差し伸べた形になったことで、うまく協力の輪を広げることができたようですね。

記録挑戦をお手伝いします

今後は嘉悦大学にとどまらず、挑戦を希望される方のお手伝いをしたいと考えています。「1回認定されたくらいで調子にのるな!」とのお叱りの声が聞こえてきそうですが、実はこれまでに10回以上記録挑戦のお手伝いをさせていただき、その全てでギネス世界記録として認定していただきました。ほとんどは、私が東日本大震災以降に復興支援として行ってきたプロジェクトです。

【59の世界記録 – FUKUSHIMA PRIDE -】https://www.59-world-records.org/

これら被災地で世界記録に挑戦してきた経験を生かして、嘉悦大学で挑戦をさせていただきました。「世界一に挑戦」というのはとてもワクワクして、決して忘れることのできない思い出になります。一生忘れられない思い出、作ってみませんか?ギネス世界記録挑戦に興味がありましたら、お気軽にメール等でご連絡ください。

Writer:神酒 太郎(嘉悦大学)