新型移住者の傾向を研究し、自治体施策に活かすことを探索中

佐藤達郎(多摩美術大学リベラルアーツセンター教授)

広告コミュニケーション論が専門

こんにちは!2022年に入会した、多摩美術大学リベラルアーツセンター教授、佐藤達郎と言います。1981年一橋大学社会学部を卒業して広告会社ADKに入社しコピーライターとなり、その後クリエイティブ・ディレクター(制作チームのリーダー役)として活動。2004年に、働きながら青山学院大学でMBA(経営管理修士)を取得、2008年には博報堂DYに移籍し、2011年4月から現職です。専門は広告コミュニケーション論で、日本広告学会(常任理事)を主要な活動場所として、日本広報学会(理事)や日本マーケティング学会でも、発表や論文執筆や委員会活動に取り組んでいます。特に海外の広告コミュニケーションの傾向については、2002年から20年にわたって、世界最高峰の広告コミュニケーションの祭典「カンヌライオンズ(旧カンヌ国際広告祭)」のウォッチングと分析を続けていて、現地参加も17回を数えています。

カンヌライオンズ2022贈賞式直後

カンヌライオンズ2022セミナーの様子

イチからわかる カンヌライオンズカンヌライオンズhttps://www.canneslionsjapan.com/category/column/cg18/

また、2つのウェブマガジンに、それぞれ月1回ずつ国内外の広告コミュニケーションを取り上げた、解説・分析記事も執筆しています。

先進事例に学ぶ広告コミュニケーションのいま  https://forbesjapan.com/author/detail/1772

 

アジェンダノート https://agenda-note.com/member/?id=319&&topics_ext_options_search=1&search_ext_col_01%5B%5D=319

東京で大活躍していた知人が次々と移住

そんな中、“地域活性”に興味を持ったのは7年前からで、きっかけは、東京で大活躍していた知人が次々と“縁もゆかりもない地域”に移住を始めたことです。2015年に数人にインタビューして、アカデミックではない内容ですが、ウェブマガジンに連載記事としてまとめました。

八ヶ岳に住みたいね!を実現。そのうえで週3日は品川で働き続ける、津田賀央さんの場合  https://markezine.jp/article/detail/22941?p=2

その後、2019年頃から再び知人の地方移住が活発化し、日本広報学会の研究助成を受けて、2020年12月に長崎県壱岐市(壱岐島)に2泊3日、2021年2月に長野県御代田町と軽井沢圏に2泊3日、2021年3月に北海道美瑛町を3週間訪問滞在し、インタビューと参与観察を行い、研究ノートという形で論文化しました。イマドキの、新型の移住者達の傾向と、従来の移住者像の乖離に着目し(例えば“脱東京”というよりは“ビヨンド東京”)、自治体施策へのヒントを探しています。

美瑛町で3種間滞在した町有の一軒家

クリエイティブ・クラスの移住に関する探索的研究(広報研究第26号研究ノート)https://www.jsccs.jp/publishing/research/.assets/CCS26-sato.pdf?preview-sig=MuzX0hsxU7EKyJXVcKni4yx1RfuNrcrXGYSEZrnJ-F81S5IEWFi0aWJBNI6zxj7Pi6pr5WW8IIy7crtdr83Aiw

美瑛町での移住者を中心とした懇談会

地域活性学会の際立ったエネルギー量に圧倒された

さらに多摩美の共同研究という形で文化人類学者の先生と協力し、2022年長野県富士見町を複数回訪れ、文化人類学的アプローチでの移住者研究にも取り組み、途中経過的ではありますが、日本広報学会第28回研究発表全国大会で発表を行いました。という具合に、様々な学会に顔を出していますが、先日行われた当学会の第14回研究大会に初めて参加し、その際立ったエネルギー量に圧倒されました。また、自分自身が実務家出身で“アカデミックな世界と実務界を結ぶ存在”を目指して活動して来ただけに、当学会のJK(実務家研究者)を多く輩出しようとする様々な試みには感銘を受けています。ぜひ来年は研究大会での発表も視野に入れて、当学会へのコミットをより深くして行きたいと考えいますので、どうぞ、よろしくお願いします!

Writer:佐藤達郎(多摩美術大学リベラルアーツセンター教授)